有料老人ホームが難病などの入居者の紹介料として150万円を紹介会社に支払うとする契約関連の文書

 病院で患者の入退院調整などを担う職員でつくる「日本医療ソーシャルワーカー協会」は、一部のワーカーが老人ホーム紹介業者から接待を受けたことがあるとの調査結果を24日までに発表した。同協会の倫理綱領や厚生労働省の業務指針に違反するとみられる。

 難病や末期がんの患者の場合、老人ホームが看護・介護で多額の収入を得られるため、紹介業者に高額の紹介料を支払うケースがある。その結果、紹介業者が難病などの退院患者を獲得するため、ワーカーに接待をしたり金品を渡したりしているとの指摘が出ていた。

 紹介会社がワーカーに接待などをすることで、患者の希望や状況に合ったホームよりも、高額な紹介料を払うホームに誘導される恐れがある。同協会は「紹介会社の利用に関する指針を作ったり、倫理綱領について研修したりするなど対応を進めたい」としている。

 一部の老人ホームが入居者1人当たり150万円の紹介料を支払っていることが共同通信の取材で判明。同協会は2月下旬〜3月上旬、会員約5500人に調査し、約1600人から回答を得た。