【ワシントン、キーウ共同】トランプ米大統領は21日、ロシアとウクライナの戦争終結に向けた和平交渉に関して「近く完全に停戦し、領土分割に関する協定も協議される」と述べた。大統領執務室で記者団に語った。詳細は明らかにしなかったが、ロシアが一方的に併合したウクライナ東部・南部4州やクリミア半島の帰属を指すとみられる。
米代表団は数日以内にサウジアラビアでロシアとウクライナそれぞれの代表団と会談する予定。その際に領土問題が議題になる可能性があるが、ロシアとウクライナの意見の隔たりは大きく、協議は難航しそうだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領はトランプ氏と19日に電話会談した際、「クリミア問題は取り上げられなかった」と述べ、領土が議題にならなかったと示唆していた。
ウクライナはクリミアを含む一切の領土割譲に応じない立場。ロシアとの一時停戦の実現を優先し、双方が妥協できない領土についての交渉は停戦後に持ち越す方針だ。