22日、英ロンドンのヒースロー空港に到着した旅行者(AP=共同)
 ヒースロー空港に到着したブリティッシュ航空機=21日、ロンドン(ゲッティ=共同)

 【ロンドン共同】空港に電力を供給する変電所の火災に伴う停電で閉鎖していた英ロンドンのヒースロー空港が22日、運営を全面再開した。ロイター通信が報じた。21日の一部再開後さらに復旧作業を進めていた。ヒースローは国際的なハブ(拠点)空港。日本を含む各国の航空機が欠航や離陸後の引き返しを余儀なくされ、約20万人が影響を受けた。

 英メディアによると、警察と消防当局は21日、変電所火災の原因について事件性はないとの見方を示した。ロンドン警視庁はテロの可能性を排除せずに捜査していた。火災は20日夜に発生し、一時は周辺の6万7千世帯が停電した。

 国際航空運送協会のウォルシュ事務局長は「国家や世界にとって重要なインフラが、代替手段もなく単一の電源に依存しているのはなぜか」と疑問を呈した。空港幹部は「電力のバックアップシステムは作動したが、空港全体を動かせる規模ではない」と述べた。設計上の不備を指摘する声もある。

 ヒースロー空港は欧州で最も利用客が多く、BBC放送によると、昨年は8390万人が利用した。