講演会で受刑者からの質問に答える、大阪・北新地ビル放火殺人事件でクリニック院長の兄を亡くした伸子さん=21日午後、堺市

 26人が犠牲になった2021年の大阪・北新地ビル放火殺人事件の現場となった心療内科クリニックで、院長だった兄を亡くした伸子さん(48)が21日、西日本成人矯正医療センター(堺市)で受刑者に向けて講演し「自身がなぜ罪を犯したのかを見つめ直し、考えるきっかけになれば」と呼びかけた。

 センターが主催した講演会には20〜70代の男女27人が参加。事件で搬送後に死亡した容疑者も過去に服役していたが、出所後に再就職できず、自暴自棄になり放火したとみられている。

 出所者の立ち直り支援などにも取り組んできた伸子さんは「加害者も被害者も生まないために、皆さんの話を聴かせてほしい」と呼びかけた。