フジテレビ本社=東京都港区台場、27日夜

 27日発表のフジテレビの新役員人事では、デジタル分野に詳しい人材を中心に、40〜50代や女性を積極的に登用した。日枝久氏を頂点に「オールドボーイズクラブ」とやゆされた旧体制からの刷新を印象付けようと、人選に腐心した様子がうかがえる。元タレント中居正広氏と女性とのトラブルに端を発する問題で苦境が続く中、同局の信頼回復に向け、新体制の真価が問われる。

 フジは意思決定の迅速化を図るとして、昨年6月時点では22人いた取締役を10人に半減。うち6人は社外出身の取締役が占める。新たに就任した森山進氏(56)は、英国勅許会計士の資格を持つコンサルタント。スティーブ・モリヤマ名で作家活動も行い、近年は国内通信大手の経営顧問を務めた。石戸奈々子氏(45)はデジタル教育の専門家で、慶応大教授やNPO代表として活動する。

 取締役の女性比率は30%。平均年齢は67・3歳から59・5歳となった。最年少の稲田雅彦氏(42)は、東京科学大認定の歯科医療・技工ベンチャー企業を経営。