能登半島地震の被災地で16人が犠牲となった昨年9月の記録的豪雨は21日で発生から半年となった。被害が大きかった石川県輪島市では18日時点で83人が避難所に身を寄せる。自宅を失った人向けの仮設住宅は輪島、珠洲両市で計234戸で入居が始まり、残る52戸も今月末までに完成。地震との二重被災に苦しむ住民の生活再建に向けた支援継続が求められる。
豪雨では28河川が氾濫し、崖崩れや土石流などの土砂災害は278件発生。石川県輪島市の塚田川では土石流が起き、4人が犠牲となった。現場では国土交通省が河川の復旧工事を続けているが、付近は今も流木や家財が積み上がったまま。基礎部分が残った建物跡には花や飲み物が供えられていた。
犠牲となった中学3年喜三翼音さん=当時(14)=の家族と付き合いがあった海老田芳子さん(81)は「自分も孫がおり、同じ境遇になったらと思うといたたまれない」と話した。
大規模な土砂崩れが起きた珠洲市大谷地区では住宅に流れ込んだ土砂を重機で撤去する作業を進めた。