石破茂首相が代表の自民党鳥取県第1選挙区支部(鳥取市)が2021年に受けた個人献金のうち14件計132万円分について、政治資金収支報告書の寄付者の住所欄にその人物が代表などを務める企業や団体の所在地を記載していたことが15日、分かった。同様の記載は首相と石破内閣の閣僚計14人の政治団体であり、総数は370件計1472万2千円分に上った。
政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「政治資金規正法の虚偽記入に当たる恐れがある。実質的な企業献金と疑われかねない」と指摘。商品券配布問題で厳しい立場にある首相への批判はさらに高まりそうだ。多数の自民閣僚の政治団体でずさんな記載が相次ぎ発覚したことで、企業・団体献金の国会議論にも影響する可能性がある。
首相の事務所は取材に「寄付の際に事務所で把握した住所を記載しているが、確認の上、適宜対応する」と回答。他の閣僚の事務所も「献金者からの申告通りに記入した」などと釈明した。だが、東京都心の商業ビルを住所欄に記入した例もあり、確認を怠っていたとみられる。