兵庫県西宮市内を走行する山陽新幹線の車両。全線開業から10日で50年となる=8日午後

 山陽新幹線は新大阪―博多間全線が開業してから10日で50年となる。西日本の「大動脈」としてビジネスや観光の移動を支え、延べ30億人が利用した。一方、半世紀たち、高架橋やトンネルの老朽化が進んでおり、JR西日本は対策に乗り出す。安全性向上も課題で、ホーム柵整備を急ぐほか、自動運転の導入も目指している。

 山陽新幹線は東海道新幹線に続き、1972年に新大阪―岡山間が開業し、75年に全線開業した。1日当たりの利用者数は旧国鉄が分割民営化された87年度と比べ、2023年度は約1・4倍に増加。JR西の運輸収入全体の約48%を稼いでいる。外国人客の需要も取り込み、新型コロナウイルス禍後の業績回復の原動力になっている。

 東海道新幹線と異なり、速達タイプ「のぞみ」が政令指定都市でない姫路(兵庫県)や福山(広島県)などにも停車し、首都圏や新大阪、博多と直結するのが特徴だ。JR西の長谷川一明社長は「速達性と、各都市に停車する頻度のバランスを工夫してきた」と語る。