岩手県大船渡市の大規模山林火災で、市は7日、延焼の恐れがなくなった同市赤崎町6地区の計415世帯957人の避難指示を解除した。解除は発生後初めて。同市三陸町綾里全域など残る1481世帯3639人の避難指示は継続する。消火活動と降雨で火勢が弱まったとしているが、延焼していないか警戒を続けている。
避難指示が解除された赤崎町後ノ入地区では住民が車などで続々と帰路についた。市内の実家に避難していた主婦(77)は「山が近く家が燃えてしまうのではないかと気がかりだった。夫が体調を悪くしていて不安が絶えなかった」とほっとした様子。「解除をテレビで知った時はうれしくて涙が出た。もう避難しなくていいことを祈っている」と目を赤くした。
焼失面積は市面積の9%に当たる約2900ヘクタール。6日も煙が上がっている場所が複数確認されており、発火につながる熱源の確認を進めている。
7日も消防が地上から消火活動を続け、自衛隊の大型ヘリコプターなどが空から散水した。大船渡市には7日、強風と乾燥の注意報が出た。