横浜地裁

 造船所で働いていた男性がアスベスト(石綿)を吸い込み、中皮腫で死亡したのは、国が造船会社への指導監督を怠ったためだとして、遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は6日までに、請求通り国に600万円の支払いを命じた。2月28日付。

 厚生労働省によると、造船業労働者の石綿被害を巡り、国の責任を認めた判決は初めて。建設業と異なり、造船業は国の給付金制度の対象外とされている。

 判決によると、男性は住友重機械工業の浦賀造船所で1970〜79年、船内で石綿粉じんにさらされる作業に従事した。2012年に良性石綿胸水と診断され、労災認定。20年に中皮腫により68歳で死亡した。