栃木県のマッチング事業に参加した斎藤綾香さん(右)とメンターの生出理子さん=1月、宇都宮市(小野測器提供)

 男女の賃金格差が全国で最も大きかった栃木県で、県が企業の女性リーダーを育てようと「社外メンター制度」事業を始めた。身近にお手本となる先輩が少ない女性社員が、他社の経験豊富な管理職などの女性に相談できる制度で、県がマッチングする。初めてとなる2024年度は10組のペアが成立。利用者からは「自信とやる気につながった」と好評だ。

 厚生労働省による23年の都道府県別男女間賃金格差の調査で、栃木はワースト。県の狙いは、女性の働きやすさ向上や、大都市部への流出防止だ。

 計測機器メーカー「小野測器」(横浜市)の宇都宮市内にある事業所に勤める斎藤綾香さん(37)は、応募した1人。事業所内に正社員として立場や悩みを共有できる同性は少ない。子育てに追われ「キャリアをじっくり考える機会がなかった」と話す。

 県がメンターとして紹介したのが、県内に拠点を置く自動車大手SUBARU(スバル)の生出理子さん(46)だった。斎藤さんは3カ月で3回面談し「刺激をもらい、前向きになれた」。やりたい仕事が明確になったという。