京都アニメーション放火殺人事件で一審の死刑判決に対する控訴を取り下げた青葉真司死刑囚(46)が、弁護側が控訴審で自身の言動を「妄想」と主張することに不満があったと取り下げの理由を弁護人に説明していたことが4日、関係者への取材で分かった。

 自身の控訴取り下げについて「後悔している」と話していることも判明。大阪高裁によると、青葉死刑囚は1月27日に控訴取り下げ書を提出した。弁護人は同月30日に取り下げ書の効力を争う申し入れ書を提出し、同日受理された。

 関係者によると、2月28日に高裁で非公開の3者協議が開かれ、弁護側が取り下げの経緯を説明。高裁は今後、弁護側、検察側双方の主張や意見を踏まえ、取り下げの有効性について判断を示すとみられる。

 昨年1月の一審京都地裁判決は、青葉死刑囚に妄想性障害があったとする一方、心神喪失や耗弱の状態ではなかったとして完全責任能力を認め、死刑を言い渡した。

 その後、本人と弁護人がそれぞれ控訴し、弁護側は責任能力を巡る判断に誤りがあったとする控訴趣意書を高裁に提出した。