【ニューヨーク共同】「私にはまだ戦争は終わっていない。被爆者は核兵器がゼロにならなければ安心できない」。米ニューヨークで3日に開幕した核兵器禁止条約第3回締約国会議で、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の浜住治郎さん(79)が約8分演説した。国連本部の議場は10秒以上拍手に包まれた。
グレーのスーツの胸に、折り鶴の被団協バッジ。広島の胎内被爆者としての思いや、被団協の運動についてかみしめるように語った。
米国による太平洋ビキニ環礁での水爆実験で、周辺海域で被ばくしたとされる元漁船員の長女下本節子さん(74)=高知市=は傍聴席で見届け「生きている間に核兵器をなくさないといけない」とうなずいた。
「とても心を動かされた」と語ったのは傍聴した核戦争防止国際医師会議の共同代表で、フィンランドのカティ・ユバさん。日本政府の不参加について「核兵器の人道的影響を最もよく知る国が参加していないことは非常に理解しがたい」と語った。