戦国飛騨を統一する三木氏の家祖とされる正頼が勧請したと伝わる乗政八幡神社=下呂市乗政

 戦国末期の1582(天正10)年。本能寺の変という大事件が起こった数カ月後、“飛騨の関ケ原”と言われる八日町合戦が現在の高山市国府町で繰り広げられた。三木氏が、飛騨北部を領していた江馬氏を破り、戦国飛騨をほぼ統一した。

 ところがわずか3年後に、豊臣秀吉の命を受けた金森氏に敗れて、飛騨の覇権を失い、戦国飛騨は終焉(しゅうえん)する。あまりに短命な飛騨覇者への興味は募るが、史料が少なく、出自も謎に包まれている。...