「よしっ、最高だ」「その調子」「心は一つ、勝つだけだ、全力でやろう」。

 名将の一言一言がナイン個々を高め、チームを強くする。関商工に今春、甲子園監督勝利数7位の阪口慶三特別顧問が就任した。「夢だった甲子園が現実として近づきつつある」。主将土岐彩斗の言葉はナイン共通の実感だ。江崎大輔監督が強くした関商工に注入されている阪口イズム。〝虎に翼〟のパワーで、今夏、13年ぶりの聖地に挑む。

おじいちゃん専用のいすに座り関商工ナインに阪口イズムを注入する阪口慶三特別顧問。左は江崎大輔監督=関商工グラウンド

■名将のほめの一言が選手を育て、組織力を高める

 大垣日大監督として岐阜の高校野球レベルを高めた阪口特別顧問は県内指導者に大きな刺激を与えたが、中でも一番、〝阪口詣で〟したのが江崎監督だ。

 自らの野球に阪口イズムを取り入れ、前任の岐阜各務野時代から岐阜県上位校をつくり続けてきたが、実際に阪口特別顧問が指導に加わった。当初は土日曜日だけだったが、5月からは近くにアパートも借り、毎日、熱い指導を繰り広げている。...