小児科医 福富 悌氏

 今年もインフルエンザのシーズンがやってきました。すでに感染した人もいて、例年より流行が早そうです。インフルエンザにかからないためにはマスクなどの着用、外出から帰った時の手洗い、うがい、人混みを避ける、十分な睡眠と栄養、部屋の乾燥を防ぐことなどがありますが、一番効果的なのは予防接種です。

 予防接種は毎年受ける人と、受けるかどうか迷っているうちに感染してしまう人もいるかと思います。ただ、インフルエンザワクチンを接種したからといって、完全にインフルエンザの感染を防ぐということはありません。最も大きな効果は、重症化を防ぐことです。

 いくつかの調査で、高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を防ぐ効果があったとされています。また、6歳未満の小児を対象とした調査では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。これはワクチンを接種せずに発病した人のうち、60%はワクチンを接種していれば、発病を防ぐことができたということになります。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、ワクチンからインフルエンザが発症することはありません。

 昨年ワクチンを接種した人も、昨年と今年の流行株が同じとは限らないため、毎年接種した方がよいでしょう。流行は、早い年は11月中旬ごろから始まります。ワクチンは摂取しても抗体ができるためには、2~3週間必要なので、ワクチン接種の時期については、10月中に接種するとよいと思います。抗体は6カ月近く維持されるため、例年の1月から3月の流行期や受験生であっても、早すぎることはありません。

 ワクチンの接種回数については、生後6カ月以上3歳未満の場合、1回0・25ミリリットルを2回接種。3歳以上13歳未満の場合、1回0・5ミリリットルを2回接種。13歳以上の場合、1回0・5ミリリットルを1回接種します。1回目の接種時に12歳で、2回目の接種時に13歳になっていた場合は、12歳として考えて2回目の接種を行っても差し支えありません。

 これからは行楽シーズンと重なり、人混みに出掛けることも多いと思います。手洗いや、マスクの着用などとともに、ワクチン接種をしてインフルエンザの流行に備えましょう。

(福富医院院長、岐阜市安食)