琵琶湖岸の観光地を結ぶ新たな航路の定期船から見える大津市の街並み=8日

 湖上で初夏の風を感じて―。滋賀県の琵琶湖で造船や観光クルーズを手がける「杢兵衛造船所」(大津市)が5月の大型連休を前に湖岸の観光地を結ぶ新たな定期船の運航を始めた。同社は「琵琶湖の魅力を感じてほしい」と意気込み、渋滞緩和や観光需要掘り起こしにも期待がかかる。

 4月から新たに就航したのは、におの浜観光桟橋と大津港・草津烏丸半島港をそれぞれ結ぶ2航路と、湖を東西に横切る草津烏丸半島港―おごと温泉港間の計3航路。

 におの浜観光桟橋近くには「クラブハリエ」ブランドで知られるバウムクーヘンを展開する和菓子店「たねや」の新店舗があり、草津烏丸半島港はビワコオオナマズなど淡水生物を展示する県立琵琶湖博物館の目の前にある。

 各港を結ぶのは杢兵衛造船所がクルーズ事業で運航してきた屋形船などで、デッキで心地よい風を感じながら大津や草津の街並みや山々を楽しむことができる「非日常感」が売りだ。山々の緑も望める。

 湖周辺の道路は日常的に渋滞が発生しており、大津市の担当者は新たな湖上交通の登場を歓迎している。