大阪市淀川区の住宅地に建てられたビル型納骨堂が市の基準を満たしていないとして、周辺住民らが市に経営許可の取り消しを求めた訴訟の差し戻し審判決で、大阪地裁は25日、住民側の請求を棄却した。
横田典子裁判長は、市には許可を出す広い裁量があり、公衆衛生や公共の福祉の観点から経営の違法性は認められないと指摘。原告側は(1)人家から約300メートル以内での墓地設置を原則禁じた市の細則に反する(2)寺とは別の会社が実質的な経営を担っており、営利目的の名義貸しに当たる―と市の調査義務違反を主張したが、いずれも退けた。
判決によると、市は2017年2月、大阪府門真市の宗教法人に経営許可を出した。20年4月から、6階建てビルに約6千基を収納できる「宝蔵寺大阪御廟」が運営されている。
地裁は21年、住民らには訴訟を起こす資格がないとして訴えを却下したが、大阪高裁は22年に取り消した。最高裁も支持したため、審理が差し戻されていた。