大阪府警は、LINE(ライン)で犯罪グループの手口を疑似体験できるツールを高校生らと開発した。被害防止につなげる狙いだ。ツールは闇バイトのほか、SNS型投資詐欺、恋愛感情に乗じたロマンス詐欺の3バージョン。LINEで友達登録すれば、リクルーターや詐欺師に扮したアカウントと、実際の事件を基にしたやりとりが体験できる。
闇バイトのアカウントでは、「求人募集」に応募する形でやりとりがスタート。身分証の写真や携帯番号が求められ、仕事を断ろうとすると「親に迷惑かけることになるぞ」と脅される。途中で連絡を絶っても個人情報がネットにさらされるなど、一度要求に応じたら最後、いずれも悲惨な末路をたどってしまう。
開発に携わったのはサイバーセキュリティーが専門の香川大の平野敏範客員研究員と、平野氏が特別講師を務める大阪府立都島工業高のコンピューター研究部。
府警の担当者は「犯行の手口を知ってもらい、自分も被害に遭う危険性があると自覚してほしい」と話した。今後、ホームページでツールを公開する方針。