23日、ウクライナ東部スラビャンスクでロシア軍の爆弾による火災を消火する消防士(ゲッティ=共同)
 ルビオ国務長官=3月、ワシントン(AP=共同)

 【キーウ、ワシントン共同】ウクライナ和平を協議するため米英仏独などが23日にロンドンで予定した外相級会合は、ルビオ米国務長官の欠席で高官級に格下げして開かれた。成果はなかった。米側は領土の譲歩を拒むウクライナに激怒しており、トランプ大統領はゼレンスキー大統領を「ロシアとの和平交渉で非常に有害」と非難した。協議は今後も難航必至だ。

 ゼレンスキー氏はSNSで、ロンドン会合では「多くの感情」が行き交ったと指摘した。ニュースサイト、アクシオスによると、米国のウィットコフ中東担当特使は25日にロシアのプーチン大統領とモスクワで会談する見通し。

 米国の和平案は、ロシアがウクライナ東部・南部4州の大部分を占領する現状を追認し、南部クリミア半島をロシア領と米国が認める内容だとされる。トランプ氏は記者団に、ロシアは合意の準備ができていると主張。ゼレンスキー氏に圧力をかけた。

 トランプ氏はSNSでゼレンスキー氏を「何の切り札もない男」と呼び「平和を選ぶか戦い続けて国全体を失うかだ」といら立ちをあらわにした。