日本郵便は23日、集配業務を担う全国3188局の郵便局のうち、75%に当たる2391局で、配達員に酒気帯びの有無を確認する点呼業務が不適切だったと発表した。東京都内で記者会見した千田哲也社長は、点呼の不備が全国で発生していたとして「会社全体の構造的な問題だと受け止めている」との認識を示し、「大きな不安をかけていることをおわびする」と陳謝した。

 事業者が守るべき基本的な動作がおろそかになっていた実態が明らかになり、不祥事が相次ぐ巨大組織の信頼失墜は不可避だ。同社は23日、国土交通省と総務省に事案を報告。厳しい行政処分を受ける可能性がある。

 千田氏は点呼を適切に実施したとの虚偽の報告が「かなりの数あると聞いている」と説明。長年にわたって続いていた可能性があるとも強調した。日本郵便の点呼マニュアルにも不備があり、不適切な事例には、誤った手続きにのっとって点呼の報告が行われていたものも含まれるという。

 点呼は貨物自動車運送事業法で定められているが、不適切な事例は全13支社で確認された。