【北京共同】中国の宇宙当局者は23日、月面に原子力発電所を建設することを検討していると明らかにした。月面に整備する国際研究ステーションに電力を供給するためで、ロシアと協力すると説明した。ロイター通信が報じた。中国の習近平指導部は国際月探査「アルテミス計画」を推進する米国に対抗し、宇宙開発で主導権を握ることを狙う。
中国は2030年までに中国人初の月面着陸の実現を目指している。月面に持続可能な国際研究ステーションを建設する計画も推進。国営メディアによると、17カ国と約50の国際研究機関が計画に参加しているという。
中国の宇宙当局は23日に上海で開いた会合で、ステーションが月での実験や資源利用における国際協力を促進するとアピール。電力供給のために原発のほか太陽光発電施設を設ける必要性を指摘した。
ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモス幹部は昨年3月、中国と共同で33〜35年ごろに月面に原子力エネルギー供給施設を設置する構想を「真剣に検討している」と語っていた。