デジタル行財政改革会議であいさつする石破首相(左から2人目)=22日午後、首相官邸

 石破茂首相は22日、一つの公立高しか受験できない「単願制」の見直しに向けた検討を、希望する自治体で進めるよう文部科学省とデジタル庁に指示した。高校授業料の無償化で私立高の人気が高まる中、公立高を選びやすくする狙いもある。

 首相はデジタル行財政改革会議で「生徒が希望する進学につながるメリットや現場の課題を丁寧に考慮し、希望する自治体で事例創出の具体化を図ってほしい」と述べた。

 会議では有識者が複数校を志望できる仕組みを提案した。提案によると、受験生が志望順位を提出した上で共通試験などを受験し、システムが内申点や試験の点数、面接の結果なども考慮。合格基準を超えた学校の中から志望度が最も高い学校を自動的に割り当てる。

 有識者は、アルゴリズム(計算手法)を活用すれば瞬時の割り当てが可能と説明。意欲のある都道府県で先行的に導入し、モデルケースの創出に取り組むべきだとした。

 現在、公立高は1人1校しか出願できない地域が多く、生徒は確実に合格できるレベルの学校を選んでしまう傾向があると指摘される。