神奈川県秦野市で八重桜の花の塩漬け作りが最盛期を迎えている。塩抜きして湯を注いだ「桜湯」は、ピンク色とほのかな香りで婚礼など祝いの席で人気。最近では和洋菓子やリキュールにも使われ新たな需要も。農家はアルバイトの手を借りながら総出で摘み取り作業に当たっている。
約2500本の八重桜のある千村地区では17日、5メートルを超すはしごに乗った女性が針金で枝を引き寄せ、手で一輪ずつ摘み取っていった。摘み取った花は、加工場で余分な部分を取り除いて塩と梅酢に漬ける。
例年約20トンを収穫するという農家小野孝允さん(79)は「年に1回、花をもぐのが楽しみ」と話した。