最初の逮捕から3カ月余りたった18日、東京地裁で開かれた初公判に姿を見せた三菱UFJ銀行元行員の山崎由香理被告(46)。法廷に入った直後、かつての同僚が座る傍聴席に向かって深々と頭を下げた。表情には疲労の色が浮かぶ。検察側は、事件前から抱えていた多額の借金の存在を明らかにした。
被告は栗色の髪をボブヘアに整え、黒のジャケットに白いブラウス姿で入廷。背筋を伸ばして証言台に立ち、裁判官から現在の職業を尋ねられると「無職です」とぽつりと答えた。
その後、検察官が事件前の経済状況を説明。2014年ごろからオンライン競馬や外国為替証拠金取引(FX)で多額の損失を出し、消費者金融などに約1200万円の借金を抱えて個人再生手続きを申請していたと明らかにした。
「絶対に許せない。厳しい処分を求める」。貸金庫から金塊を盗まれた被害者の供述調書も読み上げられたが、被告は正面をじっと見据え、動じる様子はなかった。約30分で閉廷すると、再び傍聴席に頭を下げ、法廷を後にした。