【ベネチア共同】「水の都」として名高いイタリア北部ベネチアで18日、オーバーツーリズム(観光公害)対策として、昨年に続いて日帰り客からの入場料徴収が始まった。7月27日までの金土日曜と祝日など計54日間が対象で、事前予約の有無によって最大10ユーロ(約1600円)の支払いが必要となる。
ベネチアは昨年4〜7月の計29日間に、5ユーロの入場料を試験導入。市当局は「取り組みは成功した」と分析し、今年の継続を決めた。訪問日の4日前までに事前予約しなかった場合に2倍の料金を徴収する仕組みを新たに加えたほか、実施日数も大幅に増やした。
一方、昨年の入場料の徴収総額が当初の予想を大幅に上回り、抑止効果に疑問の声も上がる。観光公害に詳しいベネチア大のファンデルボルグ准教授は、運営側の負担が増えているだけで「観光客数の変化をもたらしていない」と指摘した。
世界的観光地のベネチアではオーバーツーリズムが深刻化しており、市中心部では観光客の集中が物価や家賃の高騰を招き、住民の生活が脅かされている。