16日、米ホワイトハウスの記者会見室で、不法移民に殺害された娘について話すパティ・モリンさん(左)(共同)

 【ワシントン共同】トランプ米政権が「手違い」でエルサルバドルに強制送還した移民男性を巡り、民主党のバンホーレン上院議員は16日、男性の米国帰還を働きかけるためエルサルバドルを訪問した。一方、レビット大統領報道官は別の移民に娘を殺害された女性を招き、強制送還を正当化。男性の処遇を巡る対立が激化している。

 バンホーレン氏は東部メリーランド州選出で、男性も同州に家族と住んでいた。米メディアによると、刑務所に収容された男性本人との面会を希望したがエルサルバドル政府が許可しなかったという。同氏は「この状況は正義ではない」と述べ、帰還に尽力すると強調した。

 レビット氏は、エルサルバドルの別の不法移民がメリーランドの女性の娘を残虐に殺害したとして「民主党議員は自国の有権者や国民への共感のかけらも持ち合わせていない」と非難した。ヘグセス国防長官は16日、エルサルバドルのメリノ国防相と会談し、協力関係をアピールした。

 男性を巡っては、連邦最高裁が10日、男性の連れ戻しに取り組むよう政権に命令した。