石破茂首相は14日、連合の芳野友子会長と労働政策を協議する「政労会見」を官邸で開き、トランプ米政権の高関税政策に関し、連合と協力して克服したい意向を伝えた。芳野氏は労働者が受ける影響に懸念を示した。自民、公明両党政権下での政労会見開催は2009年6月の麻生内閣以来、約16年ぶりとなった。
首相は「中小企業の労働者にしわ寄せがいかないよう連合と意識を共有し、難題を乗り切りたい」と述べた。賃上げにも触れ「成長戦略の要だとの認識を持ち、物価上昇に負けない賃上げを早急に実現したい」と強調した。
芳野氏は高関税政策について「賃上げの機運に水を差さないか懸念している。最大限の善処をお願いしたい」と求めた。春闘を巡り、大手企業から中小・小規模事業者との交渉に移っているとし「関税政策で世界経済が混乱している。労働者は先行きに不安を感じている」と訴えた。
政労会見を引き続き実施するよう要求した芳野氏に対し、首相は「こうした会議体を継続したい」と応じた。芳野氏が記者団に明らかにした。