キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首(左)と社会民主党(SPD)のクリンクバイル党首=9日、ドイツ・ベルリン(ゲッティ=共同)

 【ブリュッセル共同】2月のドイツ連邦議会(下院)選挙で第1党になった保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第3党の中道左派、社会民主党(SPD)は9日、CDUのメルツ党首を首班とする次期政権の連立協定書案を発表した。ウクライナ侵攻を続けるロシアを抑止するための防衛力強化を盛り込み、国防費の増額などを掲げた。

 「極右」と称される反移民の右派が選挙で台頭したことを受け、支持層を吸収し弱体化を図るために移民政策厳格化も明記。恒常的な国境管理の実施や、隣国と協調した国境での不法移民送還などの対策を列挙した。

 協定書案は党大会や党員投票を経て承認され、正式決定される。メルツ氏はベルリンでの記者会見で「行動力のある政府を目指す」と強調し、5月上旬にも政権を発足させる考えを表明した。

 主要閣僚はCDU・CSUが移民政策の厳格化を担う内相や外相、経済エネルギー相などを確保し、SPDが財務相や国防相などを擁立する。