【ワシントン共同】米財務省の金融犯罪捜査部門は9日、米国で中毒者が増えて社会問題になっている合成麻薬フェンタニルに関連する2024年版の報告書を公表し、中国が原料の「主要な供給国」だと問題視した。中国からの原料販売が疑われる取引に、オンライン決済や暗号資産(仮想通貨)が絡む電子商取引(EC)が重要な役割を果たしているとした。

 報告書は金融機関の情報を基にフェンタニルの調達や密売に関する動向をまとめた。中国で製造した原料をメキシコの犯罪組織が合成し、米国に密輸しているとした。

 報告書によると、米国の麻薬取締局(DEA)は24年、フェンタニルの錠剤5500万個以上と、粉末約3・6トンを押収した。