13日に開幕する大阪・関西万博は、海に囲まれた大阪市の人工島・夢洲で行われる。懸念されるのが、災害時に交通網が途絶し来場者が島内に孤立するリスクだ。会場へのアクセスは橋とトンネル、地下鉄の計3ルートに限られている。来場者の安全をどう守るか。日本国際博覧会協会(万博協会)は島脱出まで3日間かかる事態に備え、物資の備蓄を進めている。
3月31日に公表された南海トラフ巨大地震の新たな被害想定では、夢洲がある大阪市此花区は最大で震度6強の揺れが予想される。大阪府の試算によると会場には最大5・4メートルの津波が押し寄せる可能性があるが、会場は海面から11メートルかさ上げされているため、浸水は島の周縁部にとどまる見込みだという。
一方、夢洲へつながる橋など三つのルートが被災すると避難手段が絶たれかねない。安全確認のため一時通行止めとなる恐れもあり、この場合は徒歩での移動もできない。万博協会は3日間(72時間)、来場者が会場内に足止めされることを念頭に対策を立てている。