トランプ米政権が発動を予告した相互関税を巡り、日本が注力する農水産物の輸出に逆風が強まるとの不安が広がっている。中国が日本産の水産物や牛肉の輸入規制を続ける中、米国が国別で2024年に20年ぶりにトップに立つなど、輸出拡大のけん引役になっているからだ。
日本の農林水産物・食品の24年輸出額は過去最高の1兆5073億円(確報値)。そのうち米国は前年比17・8%伸び2429億円だった。中でも、ホタテ貝や牛肉、日本酒の増加が目立った。米国が課す関税は現在、ホタテ貝は無税で、牛肉には一部の低関税枠とそれ以外に26・4%が適用される。
23年まで輸出先で首位だった中国は、原発処理水の放出により日本産水産物の輸入を全面停止。牛肉も検疫上の問題などで止まったままだ。24年は29・1%減の1681億円。
中国の減少分の一部を米国向けが補っており、農林水産省の幹部は「本当に相互関税が課されることになると影響は避けられない」と警戒する。