帰還困難区域の一部が解除された福島県葛尾村で、バリケードを撤去する葛尾村職員ら=31日午前

 東京電力福島第1原発事故で原則立ち入り禁止が続く福島県の帰還困難区域のうち、葛尾村と飯舘村の事業用地など計約26ヘクタールの避難指示が31日午前9時に解除された。非居住の土地で、年間被ばく線量20ミリシーベルト以下が確実であることを条件とした特例を用いたため、住民帰還は伴わない。

 今回の解除対象は葛尾村が風力発電用地計約20ヘクタール、飯舘村が堆肥製造施設用地と外縁部の農地の計約6・2ヘクタール。特例は2023年5月に飯舘村の公園用地に使われたのに続き2度目。解除後も葛尾村は面積の17・6%、飯舘村は3・9%が帰還困難区域として残る。