次世代半導体の国産化を目指すラピダスが建設中の工場=24日、北海道千歳市(共同通信社ヘリから)

 経済産業省は31日、次世代半導体の国産化を目指すラピダスに最大8025億円を追加支援すると発表した。既に9200億円の支援を決めており、総額は1兆7225億円となる。北海道千歳市の工場で4月から始める試作ラインの稼働や、チップを製品として完成させる技術の開発を後押しする。

 ラピダスは米IBMと連携し、回路線幅が2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の半導体生産技術を開発中だ。2027年の量産開始を目指している。24年12月には最先端の製造装置の搬入を始めるなど試作準備を進めてきた。

 ラピダスは試作や技術開発に最大で6755億円を充てる。チップを切り出してパッケージに収めるといった「後工程」の技術確立に最大1270億円を使う予定だ。

 政府はラピダス支援の枠組みを法的に裏付けるため、今国会に関連法の改正案を提出。1兆7225億円の他にも、改正法を根拠として25年後半に1千億円を出資する方針を決めている。

 次世代半導体は、人工知能(AI)や自動運転向けなど幅広い需要が見込まれる。