イスラエル軍の攻撃による犠牲者の遺体を運ぶ人々=30日、ガザ南部ハンユニス(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ通信は30日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ各地で攻撃を続行し、子どもを含む少なくとも64人が死亡したと伝えた。イスラエルはイスラム組織ハマスに人質解放を迫り、攻勢を一層強める考えを示している。ガザでは30日、約1カ月間続いたラマダン(断食月)が終了して祝祭期間に入ったが、攻撃による犠牲は続いた。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、最南部ラファで医療活動中だったパレスチナ赤新月社の職員ら8人が遺体で発見され、ほか1人が行方不明だと発表した。9人が乗っていた複数の救急車は23日に攻撃を受け、その後連絡が取れなくなっていた。チャパガイン事務総長は声明で「全ての人道支援者は守られなくてはならない」と訴えた。

 ガザでは国連や支援団体に所属する職員の犠牲も相次いでおり、国連人道問題調整室(OCHA)によると、戦闘開始以降、約400人の支援活動従事者が死亡した。

 イスラエル軍は18日にガザへの大規模攻撃を再開し、停戦は事実上崩壊した。