30日、虐殺犠牲者の追悼式典で黙とうをささげる市民ら=ウクライナ・ブチャ(共同)

 【ブチャ共同】ロシア軍がウクライナ侵攻直後に占領し、多数の民間人が虐殺された首都キーウ(キエフ)近郊ブチャ市の解放から3年となるのに合わせ、30日に犠牲者追悼式典が開かれた。市とその周辺で500人以上が亡くなったとされ、遺族や市民は「国とブチャを守った英雄を忘れない」と祈りをささげた。

 占領時に集団埋葬地となったウクライナ正教会の聖アンドリー教会に多くの市民が集まり、黙とうした。アナトリー・フェドルク市長は「多くの人々が命懸けで戦った。どんな言葉も遺族を慰めることはできないが、英雄の勇気と強さに感謝を伝えたい」と述べた。

 同教会には現在、犠牲者の慰霊碑が立つ。花を手向けたリュドミラ・キジロワさん(70)は、夫のワレリーさん=当時(69)=の名前が書かれた慰霊碑をなでて「3年間、悲しいことばかりだった。あなたがいないと生きていくのは本当に難しい」と声を詰まらせた。