成田空港の免税店に並ぶ日本酒=1月

 成田空港で、日本酒が土産物として熱視線を浴びている。円安傾向を背景にした訪日外国人の増加で、出国の直前に買い物を楽しむ免税店での購入額は右肩上がり。酒蔵とタッグを組んだ試飲会や空港限定商品の販売などの工夫を凝らし、多様な風味を持つ日本酒の魅力を伝えている。

 「気軽に味見してください。飲みやすいですよ」。今年1月下旬、成田国際空港会社(NAA)の子会社が第2ターミナルで運営する免税店。兵庫県の酒蔵のスタッフが、行き交う人々に試飲を勧めていた。芳醇な香りに誘われ、カップに注がれた日本酒を口にした訪日客らは「フルーティー」と満足そうだった。

 試飲会は週末に実施。毎回2、3銘柄を用意し、酒蔵から来る担当者が特徴を説明する。

 NAAの免税店運営会社によると、和食が2013年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された上、海外での和食ブームもあり、外国人になじみが薄かった日本酒は認知度が急上昇。昨年12月には日本酒を含む「伝統的酒造り」も遺産登録され、さらに注目が高まっているという。