ウクライナ侵攻を巡る民間人被害について協議する国連安全保障理事会=26日、米ニューヨークの国連本部(国連提供・共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は26日、ロシアのウクライナ侵攻を巡る民間人被害を協議する緊急会合を開いた。国連人道問題調整室(OCHA)は2022年2月の侵攻開始以降、少なくともウクライナの民間人1万2881人の死亡を確認したと報告。ロシアとウクライナは互いを非難し、和平への機運の高まりはなかった。

 OCHAのムスヤ事務次長補は死者のうち、681人は子どもだと明らかにした。負傷者は約3万500人に上る。

 ロシアのポリャンスキー国連次席大使は、トランプ米大統領が主導する和平交渉を歓迎し「危機が解決する希望を持てるようになった」と主張。黒海の安全な航行確保などの履行は制裁緩和といった条件が満たされてからだとし、ウクライナがエネルギー施設の攻撃を続けていると批判した。

 ウクライナの代表は「発言ではなく、行動に注目すべきだ」としてロシアによる民間人攻撃を問題視。「一時的に占領されている地域をロシア領と認めることはない」と従来の主張を繰り返した。