会談を前にブラジルのルラ大統領(左)と握手する石破首相=26日午後、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)

 石破茂首相は26日、東京・元赤坂の迎賓館で、ブラジルのルラ大統領と会談し、両国首脳による2年に1回の相互訪問で合意した。今後5年間の行動計画(アクションプラン)を策定。関係を強化し、民主主義や法の支配の重要性を共有したい考えだ。会談後の共同記者発表で「行動計画に基づき、外交安全保障、経済、気候変動対策など多くの分野で関係を一層深化させる」と強調した。

 ブラジルは新興・途上国「グローバルサウス」の筆頭格。会談で両首脳はウクライナや中東、東アジアを巡る情勢について意見を交わし、安保、防衛分野で対話や協力の強化を確認した。外相が協議する「戦略対話」創設なども行動計画に盛り込まれる見通しだ。

 経済分野では、ブラジルが加盟する南米の関税同盟、南部共同市場(メルコスル)と日本の関係をさらなる高みに引き上げたいと申し合わせた。

 脱炭素化で連携し、荒廃したブラジルの農地改良やアマゾンの違法森林伐採対策で協力することで一致。両国の官民合わせて80件超の協力文書を交わした。