準大手私鉄・新京成電鉄(千葉県鎌ケ谷市)が31日、創立から78年の歴史に幕を下ろす。親会社の京成電鉄に吸収合併されるのに伴う。県北西部の松戸駅―京成津田沼駅(26・5キロ)を結ぶ路線は、4月1日から「京成松戸線」として引き継がれる。一方、沿線で親しまれてきたピンク色の車両デザインは順次変更され、姿を消す。
「まだしばらく『新京成』と言っちゃいそう」「京成になっても乗り続けます」。3月末、同県松戸市役所に設置された寄せ書きボードに、利用者からのメッセージが所狭しと貼り付けられていた。市担当者も「予想以上の反応で、急きょボードを追加した」と驚く。
新京成は1946年10月創立。線路を敷く演習を実施した旧陸軍から跡地払い下げを受け、事業を始めた。JR常磐線や東武野田線に接続し、主に東京都内への通勤通学客になじみ深い存在だ。
将来的な沿線人口の減少もにらみ、京成は2022年に新京成を完全子会社化。今回の吸収合併で、経営の効率化を進める狙いがある。
駅名や料金体系は現行のまま、路線の運行は続く。