山肌から煙が上がる愛媛県今治市の山林火災現場=24日午後6時27分

 茶色い山肌や林の至る所から山を覆うほどの白煙や火柱が上がっていた。岡山市南区と愛媛県今治市で起きた山林火災。発生から1日たった24日は雨が降る時間もあったが延焼が続き、消防などは消火活動に追われた。「眠れなかった」「これ以上燃え広がらないでほしい」。避難した住民からは長期化を懸念する声が上がった。

 火事が起きた山の麓にある今治市の道の駅「今治湯ノ浦温泉」の周辺は一時オレンジ色の煙に覆われ、風に吹かれた黒い灰が空を舞った。従業員有田翼さん(39)は山の上から麓に迫ってくるような火の手の熱気を感じたといい「岩手でも山火事があったが、人ごとじゃないと痛感した。怖かった」と振り返った。

 岡山市南区の現場近くのコンビニでは、火災が迫っているとして閉店を知らせる張り紙を掲示し、消火活動のため岡山県内各地から集まった消防車のサイレンが鳴り響いていた。同区の避難所で一夜を過ごした岡山市の会社員山本洋士さん(41)は「家の周りまで燃え広がっていないか心配だ」と不安げだった。