岐阜オープンクラシックに向けてアナウンスの練習に励む浅井理那さん(手前)と廣瀬明音さん=各務原市那加東亜町、各務原西高校

 4月5、6日の両日に各務原カントリー倶楽部(岐阜県各務原市須衛天狗谷)で開かれる男子ゴルフの「第42回岐阜オープンクラシック2025」(岐阜新聞社、岐阜放送主催)で、地元の各務原西高校(同市那加東亜町)放送部の2人が、選手紹介のアナウンス「スタートコール」を担当する。プロゴルフトーナメントで高校生がスタートコールを担うのは珍しく、思わぬ大役に2人は「貴重な機会。重圧もあるけれど明るい声で選手を送り出したい」と、本番を楽しみにしている。

「岐阜新聞デジタル クーポン」始めました!対象店舗はこちら

 2人は、部長で2年生の浅井理那さん(17)と部員の1年生廣瀬明音さん(16)。ともにスポーツ大会のアナウンスは初挑戦で、「地域と共に大会を盛り上げたい」という主催者からの依頼に応えた。

 「前回大会のチャンピオンです」。スタートコールは、選手が最初のショットを打つ前に、ギャラリーに向かって名前と実績を紹介する。「誕生日おめでとうございます」など、張り詰めた空気を和らげるような内容もしばしば。素振りや屈伸をするなど、選手それぞれに打つ前のルーティンがあるため、話す速度やタイミング、抑揚が大切になる。読みにくい名前の外国人選手もいるが、浅井さんは「高低差を生かした深みのある声が持ち味。名前の読みは難しくても、声の明るさをなくさないようにする」と動じない。

 スタートコールは、本来ならプロのアナウンサーが担う。出場選手は本番直前まで入れ替わるため、アナウンス原稿が届くのは大会前日の夕方で、打ち合わせは当日の30分ほどしかないが、2人は迷わず引き受けた。廣瀬さんには、全国コンクールで勝ち抜いて高校野球選手権で甲子園球場の場内アナウンスを務めたいという夢があり、「夢と似た部分がある。普通の高校生活ではできない経験」と話す。

 2人は、「ほぼぶっつけ本番」に備えて前回大会の原稿を手に練習に励む。「『頑張ってください』といった思いを込めて読む。選手に気持ちが届くアナウンスをしたい」と口をそろえた。

(岡部導智賢)