複数の医心館で行われていたとされる不正・過剰請求のイメージ

 全国に約120カ所ある末期がんや難病患者向け有料老人ホーム「医心館」のうち複数のホームで、併設の訪問看護ステーションが入居者への訪問について実際とは異なる記録を作り、不正に診療報酬を請求していたとみられることが23日、内部文書や複数の元社員の証言で分かった。元社員らは、必要ないのに訪問して過剰に報酬を請求する行為も常態化していたと指摘している。

 こうしたホームは「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、近年各地で急増している。医心館を運営する「アンビス」(東京)は親会社が東証プライム上場で最大手。

 共同通信はアンビスに複数の質問を送ったが、同社は「回答致しかねる」としている。

 末期がんなどの患者への訪問看護では、必要があれば1日3回まで診療報酬を請求でき、複数人での訪問には加算が付く。訪問時間は原則、30分以上と定められている。

 関東で働いていた複数の看護師によると、医心館では併設のステーションの看護師らが入居者の居室を巡回。いずれも「必要性に関係なく全員、最初から1日3回訪問と決まっていた」と証言した。