雪崩事故の追悼式で献花し、手を合わせる遺族の佐藤政充さん(右)=22日午前、栃木県大田原市の県立大田原高

 栃木県那須町で2017年、登山講習中の県立大田原高の山岳部生徒7人と引率教諭1人が死亡した雪崩事故から8年となるのを前に、同県大田原市の同校で22日、追悼式が開かれた。遺族や県教育委員会の職員ら約50人が参列。1年生の佐藤宏祐さん=当時(16)=を亡くした父政充さん(55)は「成長することのない、笑顔だった息子の姿を思い浮かべた。悲しみは今も変わらない」と追悼の辞を述べた。

 参列者は校内の慰霊碑に黙とう。事故の状況を記したプレートを新たに碑に設置した。

 県教委の阿久沢真理教育長は「事故の教訓を後世に伝え続け、決して風化することのないように取り組む」とあいさつした。

 事故は17年3月27日朝、那須温泉ファミリースキー場近くの国有林で発生した。県高等学校体育連盟主催の登山講習会に参加した40人超が雪崩に巻き込まれ、生徒ら8人が亡くなった。

 責任者だった教諭ら3人は業務上過失致死傷の罪に問われ、宇都宮地裁から24年5月、いずれも禁錮2年の判決を言い渡されたが、不服として控訴している。