能登半島地震により損壊した建物が解体された跡地に住民が花を植える取り組みが22日、石川県七尾市で始まった。跡地の利活用が決まるまで地域の憩いの場とする試みで、空き地が増える街並みに彩りを与えることで活力を取り戻す。今後、協賛団体を増やし、半島全体で展開する方針。
石川県は昨年の地震や豪雨で全半壊となった建物の公費解体を推進し、今月17日時点で2万棟超が取り壊された。再建に踏み出せず、跡地活用が決まらない土地も多い。
こうした空き地の暫定利用策として、七尾市で建築事務所を営む岡田翔太郎さん(34)らが花の植栽を企画した。市民が花壇を設ける福岡市の一人一花運動に着想を得たといい「能登を『花の半島』にする活動を通じて、前向きな姿を全国にアピールしたい」と意気込んだ。
この日は市中心部の民家跡地で近隣住民約100人が参加し、チューリップやビオラなど10種類以上を植えた。4月に小学校へ入学する打越結翔ちゃん(6)は「楽しかった」と声を弾ませた。
被災地支援を続けている俳優の常盤貴子さんも特別参加した。