若年層を中心に市販薬の過剰摂取(オーバードーズ、OD)が社会問題となる中、厚生労働省は22日までに、小中高生に向けた啓発用の冊子や動画を作成し、ホームページとユーチューブで公開を始めた。早いうちから体への悪影響や怖さを知ってもらい乱用防止につなげる目的。薬の正しい使い方について考えてほしいと呼びかけている。
一時的な高揚感を得ようとしたり、精神的苦痛から逃れようとしたりして薬を大量に摂取するOD。啓発の冊子は、小学生向けは読みやすいよう漫画形式で、乱用に依存症や死の危険性があることを解説。悩んだりつらい気持ちになったりした時は身近な人や相談窓口に話してみることを勧めている。動画には当事者の体験談も収録した。これらは教育現場などで活用してもらうことを想定している。
中高生向けとともに、厚労省ホームページで冊子のダウンロードや動画視聴が可能。薬局などの薬剤師や登録販売者向けとして、乱用に苦しむ若者を適切な支援先につなぐための対応マニュアルも公開した。