北海道旭川市の高砂酒造が21日、美瑛町で1月に雪に埋めた新酒の貯蔵タンクを掘り出した。北海道の自然を酒造りに生かすため1997年から続ける「雪中貯蔵」で、約5千リットル入り。電力なしで0〜氷点下2度に保たれ、酒の熟成が進んでまろやかに仕上がるという。
午前10時ごろ、酒造りに従事する蔵人6人が二つの雪山をスコップで掘ると、高さ約3メートル、直径約2メートルのタンクが顔を出した。試飲した杜氏の森本良久さんは「フルーティーな香り。熟成して柔らかくなった」と満足そうに話した。
同社によると、数年前までは約100日間埋めていた。近年は短くなっているが、味に大きな違いはないという。