「根深い」「ますます票が減る」。現首相に続き、前首相の岸田文雄氏側も10万円分の商品券を配っていたことが19日、分かった。問題の拡大に、参院選を控える各地の自民党員らから影響を不安視する声が噴出した。物価高に苦しむ市民を支える労働組合の担当者は「庶民感覚とずれている」と批判。「国会で議論すべきテーマはもっとある」と冷めた意見も聞かれた。
「岸田氏はクリーンなイメージで売ってきた。(商品券配布が)事実なら根深い問題だ」。前首相の地元・広島の自民県連幹部は、問題の広がりに不安な表情を見せた。
前首相の事務所は取材に「常に法令に従って適正に対応している」とコメント。県連幹部は「事務所の言葉を信じたい」と言葉少なに話した。
参院選への影響を心配する声も多く聞かれた。
富山市の男性党員(72)は「歴代首相も皆配っていたのだろう。庶民感覚とずれていて、許されない」と批判。派閥裏金事件から続く野党の攻勢がさらに強まると懸念し「選挙への影響は大きい」と語った。