【ジュネーブ共同】世界気象機関(WMO)は19日の報告書で、2024年の干ばつや洪水など「極端な気象現象」による避難者数が08年以降で最多だったとした。「前例がない」規模の現象は約150件に上り、24年9月の石川県・能登半島の豪雨も含めた。農地への被害による影響が食料価格の急騰に及んだと指摘した。
24年9〜10月には米南部を二つのハリケーンが直撃。巨額の経済的損失が生じ、200人以上が死亡した。能登の豪雨では9月20〜22日に計500ミリを超える降水量を観測。平年9月の月間降水量の倍以上になった。日本の6月の猛暑も極端な現象だとした。世界で約82万4千人が避難を余儀なくされた。
WMOは国際社会と連携し、早期警報システムの導入に取り組んでいる。サウロ事務局長は「さらに踏み込んで加速する必要がある。世界の半数の国しか適切な早期警報システムを備えていない」と述べた。
報告書は24年の世界の平均気温が産業革命前の水準に比べて1・5度以上高くなったと認定。記録が残る1850年以降で最も暑い年になった。