【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会が、トランプ米政権の関税強化で行き場を失ったアルミニウムが域内に流入するのを防ぐため、緊急輸入制限(セーフガード)の発動を検討することが18日、分かった。域外の安価な製品が市場にあふれ、域内の関連産業に悪影響を及ぼすのを防ぐのが狙い。鉄鋼に導入している輸入制限も強化する方針だ。

 アルミに対するセーフガード発動の可能性を探るため、近く市場調査を始める。19日に公表する鉄鋼業界支援のための行動計画に盛り込む。共同通信が入手した草案で判明した。

 世界の鉄鋼業界では、中国の過剰生産が問題となっている。欧州委は過剰生産が「欧州の産業の収益性と競争力を著しく脅かしている」と指摘した。その上で、米国による関税引き上げは、複数の生産地から輸出先が欧州へと振り向けられる恐れがあり「状況をさらに悪化させる可能性が高い」と危機感を示した。

 EUは、第1次トランプ政権下の2018年7月に鉄鋼へのセーフガードを暫定発動した。